ベストプレープロ野球の思い出
今から40年近く前の1988年、僕が中学生3年生のある日ファミコンに衝撃のゲームが登場しました。アスキー社が出したベストプレープロ野球というそのゲームは、自分で作ったチームの選手に自分で能力をA、B、Cなど決めて入力し、基本的には画面上でコンピューター同士が対戦するのをじーっと見守るという斬新なゲームでした。僕は、セリーグの球団の中に自分で考えたアニメのドリームチームを作り、巨人や中日と対戦させていました。
1番 冴羽亮 巧打「A」とか、4番 ケンシロウ 長打「A」 スタミナ「A」 とか、5番 キン肉マンは長打「B」・・・
ひたすら試合を見続け、各選手の年間の打率や防御率を「やっぱりね」とか思いながら眺めたり、ケンシロウが三冠王を取れず悔しがったり。興味ない人からしたら何それっていう、自分のテクニックや努力が全く介在しない、シミュレーションの極みという感じのゲームでした。
思春期の僕は何も語らず部屋の隅の4対3のブラウン管テレビの前で、画面上で動くコンピュータの選手たちが三振したり、完封したりするのを、ラジカセから流れる「デーモン小暮のオールナイトニッポン」を聞きながら、ずーっとやっていました。

少年野球チーム副代表
昨年より、子どもたちがお世話になった少年野球チームの副代表を務めさせていただいてます。前代表が立ち上げ、40年近く代表を務めてこられましたが引退されるということで引き継ぐことになったのですが、人前に立つことは新代表に任せて、僕は副代表という名の事務員に専念しております。子どもたちからは、「いつも代表の斜め後ろに立っている謎のおじさん」になっていますが、いいんです。
野球チームに子どもを入団させる際に「親の負担」というキーワードがよく登場します。グランドに行かなくてはいけない。休日が無くなってしまう、送り迎えをしなくてはならない、お茶当番や試合会場へ車を出す、など。子どもの近くで一緒に過ごせる時間は小学校くらいですよ!とてもいい思い出になりますよ!などと言いながら親御さんに入団を勧めています。
そこでまたいつもの癖で、「負担」について考えてしまいました。
負担とは
1.荷物を肩や背にかつぐこと。また、その荷物。
2.義務・責任などを引き受けること。
3.力量を超えて重すぎる仕事や責任。重荷。
ふーん。まあそうだなって感じです。
価値観は千差万別なので、あえて自分の意見ですが、自分の愛する子どもが野球をやりたいと言うのなら、親の娯楽、親の趣味、親の休息より子どもの野球に時間を使うのは苦痛、義務、重荷ではないなと考えます。むしろ成長する姿を見て、成果が出た時一緒に感動できるので「負担」という表現は当てはまらないなと思いました。価値観は千差万別ですが。
そうやって考えると、僕は副代表という役職について負担を感じたことがないな、何故だろう?と展開していきます。
野球チームの運営ですから、やりがいや、副代表という肩書のえらそー感に対する優越感?満足感のようなものはあります。
でも、選手、指導者、親御さんも含めると100人以上いる組織をいきなり作って、立ち上げから運営に関わると仮定したら、やりがいや醍醐味の前に、げーが出ます。とても重荷になり、続けられないかもしれません。
僕に負担を感じさせず、やり易くしているものは何でしょうか?
伝統という名の規律
40年続いた組織には伝統という名の規律があります。人間がたくさん集まると必ず意見の相違(善意の)がありますが、伝統という規律は唯一無二の武器となります。伝統は数日では作れません。40年の歴史は本当に財産だと思います。しかし良くない慣習、ルールという「負の財産」を持つ組織もあります。我がチームのルールが「財産」になっているのは、前代表が自分本位ではなくチームのためを思ってルールを作っていたからだと思います。
その規律よりも大事なもの
とはいうものの、いろんな意見に対し回答を出さなければいけない時に、僕が柱にしている順番は、
① 子どもたちのためになるか
② 伝統という名の規律
です。
チームのルールは大切ですが、今の子どもたちにとって最適かどうかで判断しています。
意見の相違、衝突は、ほぼ大人の世界の話です。子どものためと言っていても、自分の満足や見栄、好き嫌いなどに理屈をつけて装っている場合もあります。その場合は受け入れることはできません。その意見が子どもにとってベストなら、そうできるように努力します。大人同士の意見がぶつかるならば、子どもを第一優先に考えて折り合いをつけるよう促します。
世間には最近、何とかファーストという、私欲に満ちた言葉が溢れていますが、野球チームという組織において「子どもファースト」は普遍的だと思いますので、気弱星人の僕ですが意外に迷うことなく、自信をもって交渉に挑んでおります。
負担とは何か
監督やコーチを引き受けておられる方々の選手起用の悩みや勝敗に対するプレッシャーは想像を絶します。また、何の対価もないのに重責を引き受けておられる我がチームや他のチームの代表の方々、灼熱の中子どもたちの体調を気遣いながら試合のジャッジされている審判団の方々、市の少年野球育成会の役職の方々、たくさんの大人がボランティアで関わっておられ、言い方は悪いですが「他人の子」のために時間や労力を惜しまず動かれています。それに比べたら自分の役割は大したこと無いのと、たくさんの子供たちが成長していく姿を見させてもらえる特典がありますので、負担どころか関わらせてもらってありがたいなと思っています。
結局「負担」とは、同じ事象に対してそう思うかどうかによるんだと思います。
そして何より、40年の歴史を持つ野球チームを、円滑に、選手が卒団後もいい思い出になるような少年野球チームに育てていくという、シミュレーションではない壮大な実践をさせてもらってることにワクワクしています。40年前、ブラウン管の前で大学ノートにデータを書いていた頃の気持ちになっているから負担じゃないのかも。
自分が野球チームの副代表になって、チームの争いごとなく父母会が一致団結し、最後まで選手が欠けることなく卒団式を迎えられるかを目指す「ベストオペレーション少年野球」というゲームがあったら、僕の能力はどう入力しようかな。
存在感「E」威圧感「E」使いやすさ「AAA」BMI値「高」・・・